服を買うということ(藤永幸一)

2013/07/22 00:00 更新


ファッションには、つくり手の想いが、いたるところに隠されています。服に向かい合う時に、買い手も、心の躍動だったり、迷いだったり、不安などをぶつける覚悟を強いられていました・・・一昔前までは、ファッションに身を染める緊張感がありました。

「欲しい!」という気持ちに押されて、背伸びをしてチャレンジする。似合っているかなと不安になる。似合うようになろうと、お洒落な人の真似をする。

挫折したときに、気分を変える力が欲しくて、勢いで買って、袖を通してみる。

嬉しいことがあった時に、思い切り明るい色に身を包んでみる。

濃密な瞬間があったように思います。

この頃は、いい意味での、「ワクワク感」が影をひそめてしまいました。もともと、他人とは違うと主張するところにファッションの本質があったはずです。「トレンド」であっても、いかに「自分らしさ」を表現するかに知恵を絞りました。

ファッションがお手軽になったのは、とてもよいことです。ただ、販売に携わる若い人たちが、「服」に向かい合ったお客様の心の機微に目を向けるスタンスだけは、失ってほしくないと思います。それが、「接客」だと信じます。



20年のアパレル体験で痛感したこと=仕事の悩みは、本当のところ、「人間関係」。2000年に、「レックス」を設立。「仕事を楽しむスキル」を学んで、「元気な現場」をつくるサポートをスタート。自分が「楽しい!」と感じれば、相手にも好感度が伝わる!大手アパレルとの長いお付き合いで、スキルは常にバージョンアップ中!



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