川西阪急 「暮らし」を提案する自主編集売り場が健闘

2020/02/04 06:29 更新


 川西阪急が、18年秋、19年春と相次いで開設した「暮らし」を提案する三つの自主編集売り場が健闘している。地域ニーズに対応した品揃え提案により、各売り場とも新規客層の来店、購買に結びついている。2年目に入り、売り上げを伸ばしている売り場もある。今後、新規客層の固定客化に力を入れていく。

(吉田勧)

 同店は18年9月に3階に婦人服、シーズン雑貨、キッチン雑貨、コスメなどを集積した「スロウデイズ」(売り場面積363平方メートル)、2階に婦人服、服飾雑貨などを編集した「スタイリングデイズ」(162平方メートル)、19年3月に4階に子供服と知育玩具、アウトドアグッズ、キッチン雑貨などを集積した「サニー&グリーン」(396平方メートル)を開設した。いずれも非食品の上層フロアの活性化と新規客層の獲得を狙いとしたものだ。サニー&グリーンは「家族で楽しむ心地良い暮らし」、スロウデイズが「シンプルな中にぬくもりのある暮らし」、スタイリングデイズは「旬のおしゃれを気軽に楽しむ」がコンセプトで、〝川西スタイル〟=地域ニーズを想定した暮らしを提案している。

 サニー&グリーンは、ベビーカー連れの20代女性など「あきらかに新規客」が来店しているという。前売り場対比で客単価は低下しているものの購買客数は2ケタ増で推移している。好調なのが「ザ・ノース・フェイス」「パタゴニア」などのキッズカジュアルウェア。従来の子供服とは違うテイストの品揃えが「想定以上に支持されている」という。売り場内のワークショップのほか屋上を活用した「運動会必勝塾」「ランニングバイク選手権」といった子供向けイベントを実施するなど、モノ・コトの提案が集客と購買に結びついている。

子供関連用品を軸に「家族で楽しむ暮らし」を提案している「サニー&グリーン」

 2年目に入ったスタイリングデイズの10~12月の売上高は前年同期比19%増、スロウデイズが前年並みとなった。婦人服全体の売上高が3%減のため、自主編集売り場は健闘しているとみている。いずれも購買客数が伸びている。スタイリングデイズは「雑貨、バッグ、アクセサリーを足し込むなどMDを修正した」ことで2ケタ増となった。スロウデイズも同様で、新規客層の需要に対応した品揃えの修正が売り上げに結びついている。1月は従来からある2階の婦人服編集売り場「プル・ア・プープ」を含め、スタイリングデイズ、スロウデイズも前年実績を上回っている。「自分たちで手配をして(地域客に)フィットできるため」という。

 三つの大型編集売り場を新たに開設したことで「館全体に若い人が増えた」という。新規客層の服飾雑貨や食品の買い回りも生まれている。インスタグラムのフォロワー数はサニー&グリーンが約460人、スロウデイズが約670人と増えているが、売り場の認知度はまだ低い。情報発信のさらなる強化とファン作りに力を入れて「店全体を徐々に若返らせていく」考えだ。

屋上を活用し、子供向けの多様なイベントを開催している


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