川辺はオリジナル強化を進め、ライセンス事業との2軸で企業基盤の構築に取り組む。2月に創業100周年を迎え、24年3月期からの3カ年計画を策定中で、「環境が大きく変わるなか、100周年を一つのスタートとし、お客様から共感してもらえる様々な施策を行っていく」(岡野将之社長)としている。100周年では元プロ野球選手の斎藤佑樹さんとパートナーシップ契約し、「主にハンカチの製造と販売を手掛けてきた企業として、魅力作りを強めていく」プロジェクトを始動する。
岡野社長は「100年においてはライセンスビジネスの成長が大きい」と振り返る一方で、今後は環境や消費者の購買動向の変化に「ライセンスとともに、オリジナル商品がより重要になる」と考えている。8月には日本全国の特産品をテーマにした、ハンカチなどの新ブランド「47ジャパン・リディスカバリー」を発売する。
オリジナルは21年、コーヒー愛好家ヴォーン氏との協業ブランド「コーヒータイム・ウイズ・ヴォーン」や旅をテーマにした「チズタビ」など4ブランドを立ち上げており、さらにニーズ対応やニッチな市場へのアプローチを強めていく。5月にはコロナ禍で中止していた総合展を開く予定で、23年秋冬物を披露する。
また、斎藤さんとは、「ニーズが減少しているといわれるが、日本の伝統文化であるハンカチに、もう一度スポットが当たるようにしたい」と一緒に取り組んでいく。
「オリジナルの開発やお客様に一番近い販売員など、人が重要になる」として、人材教育にも注力する。外部に依頼していた一部の研修は岡野社長や社員が講師を務め、「トップの考えがより分かり、距離感も縮まっている」と好評だ。