総合糸展「第20回ジャパン・ヤーン・フェア」(JY)と尾州産地総合展「THE尾州」が2月17日まで愛知県一宮市で開かれている。新素材や最先端の技術、協業で生み出す新商品を提案している。またTHE尾州では尾州の物作りを紹介するほか、テキスタイル直販会なども行われている。
長谷虎紡績は人工たんぱく質繊維「ブリュード・プロテイン」を使った紡績糸を初出展した。製織・製編、染色加工、縫製まで国内一貫生産した製品として、Tシャツとアウターを紹介した。環境に配慮し、たんぱく質を人工で作る資源調達の可能性も訴求している。
糸加工の金田繊維は編地製造の川北レース、縫製の希谷、販売の宝本商事の4社協業で製品化する長繊維人工中わた「ノーミワーマー」を初出展した。ほこりが出ない長繊維わた、製品内で動かない編地タイプという機能性を提案している。
豊島は昨年開始したファッションロス問題にアプローチする衣料品国内循環プロジェクト「ワメグリ」からリサイクルのウールやコットンを紹介。
モリリンはソフトな風合いと快適機能を付加したポリエステル素材「エムプラス」を出した。綿のような柔らかな風合いで毛羽立ちにくい。
東亜紡織は、ウールとポリエステル複合の精紡交撚糸「キリシマFX」を開発し、主にスーツ生地用途に提案する。新素材は、ポリエステル長繊維をウールでカバリングした。
新内外綿は、淀川水系に自生する国産のヨシ(アシ)を活用した「ヨシイト」を今年から在庫販売する。ヨシの活用や保護に長年取り組んでいるアトリエMayと協力し、新内外綿がヨシ30%・綿70%の混紡糸を開発。ヨシは「天然の抗菌性を備え、竹と比べると繊維が細く、柔らかい」という。