9月は軽快なステップで――。1891年創業のシューズメゾン、ジェイエムウエストンが、夏のバカンス明けのシーズン開幕を祝うイベント「ル・バル・ウエストン」を、フランス共和国衛兵隊の中庭で開催した。
同メゾンのアーティスティックディレクター、オリヴィエ・サイヤールが発案したこのダンスパーティー(ル・バル)。ドレスコードは「気楽な格好で」を強調したように、ルキノ・ヴィスコンティ監督の『山猫』の舞踏会の名シーンの逆を突く創作ステップの実技習得の場だ。
ウエストンのブーツを履いた衛兵の楽隊セレモニーに続き、ウエストンのスニーカーを履いた3人の振付師がそれぞれの曲に合わせたステップを披露。参加者たちはそれを手本に、リズムに合わせてレッスンに励む。
ジェイエムウエストンがメゾンの原点をアートなムーブメントでプレゼントするこの企画。みんなで分かち合うヒューマンさに、他にはないコミュニケーションの深さが伝わってくる。
(パリ=松井孝予通信員)