アメカジ主力のメンズブランド「ジェラード」は、東京・恵比寿の旗艦店を増床移転した。商品カテゴリーの拡充や、来店客数の増加に対応するためだ。より発信力を高める狙いもあり、ユーチューブの動画撮影にも使えるブースも設置した。
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恵比寿駅から徒歩10分強の閑静な裏通りにあったが、同駅から5分ほどの表通りに面したビルの2階に移した。
以前はバックヤードを含めて約50平方メートルほどの店だったが、近年は定番ジーンズのヒットで新規客やインバウンドの来店が増え、手狭になってきた。「一度に5組ほど接客をする時も少なくない。20年やってきた店舗だが〝卒業〟の時が来た」(後藤洋平代表)とし、移転を決めた。
新店舗は約70平方メートル。細い階段を上がって扉を開けると、ビンテージの雑貨や什器で飾られた空間が広がる。買い物の快適さを重視して通路を広くし、ゆったりと使える試着室を2カ所作った。店舗奥には大きな垂れ幕があり、その前でユーチューブの動画撮影や配信ができるよう、ライトの位置にもこだわった。

ここ数年売れ行きが良い、ブーツ専用の売り場も用意した。複数のサイズを店頭に出しておけるため、接客がしやすくなった。25年から販売を始めた、残反をアップサイクルした雑貨などの商品も余裕を持って並べられるようになった。

「いたずらに大きな店は出したくない。これが今のブランドに適切な規模だ」と後藤代表。その分、内装や居心地の良さにこだわった。「雰囲気の良い直営店でブランドイメージを上げたい。それが結果的にジェラードを扱ってくれている卸先の利益にもなるはず」。
今後は店舗限定の商品やイベントの開催なども検討する。