ジーンズメイトが新PB NBと両立し構成比5割へ

2017/08/24 04:28 更新


男性、女性ともに新PB「メイト」を着用している

 ジーンズメイトはメンズ・レディスの定番商品を扱う新PB「メイト」の販売を始めた。まずはジーンズとシャツ、ジャケットを揃える。カットソーやベルト、サングラスなどジーンズに合うアイテムを順次拡大し、現在約3割ある売上高に占めるPBの比率を将来的に5割まで高める。(友森克樹)

 同社のPBはこれまで、メンズ「ブルースタンダード」、レディス「イノセントブルー」など数種類あったが、ブルースタンダード以外はいったん休止する。メンズ・レディスのPBをブルースタンダードに統一し、その中でもジーンズに合うベーシックな商品群を新PBのメイトとする。

 新PBは、大手アパレル企業で実績を残してきた宇山敦取締役商品本部本部長と高橋慎二執行役員商品本部テクニカルクリエイターが手掛けた。パターンなど着心地を重視し、海外の工場まで足を運び、細部までこだわって物作りをした。

 ジーンズはメンズ3型(スキニー、テーパード、ビンテージ)、レディス3型(スキニー、マムジーンズ、ワイド)で、淡色やグレーなどNBのジーンズにあまり無い色や形を揃えるようにした。メンズ5990~6990円、レディス4990~5990円中心で、NBよりも抑えた。スレーキやパッチ、リベットなど細部にこだわりを盛り込んだ。

 シャツはメンズ2型、レディス1型。オックスフォード地のボタンダウンが基本で、白、青の無地やストライプ、チェックなどジーンズに合う色柄を揃えた。3Dパターンを採用するなどしてストレスを感じにくい着心地にした。3990円。

 ジャケットはメンズのみで、綿・麻混や綿・ポリエステル混などまずは3型を出した。京都・伏見で作られたジャージーを使用した。家庭用洗濯機で洗えるほか、丸めてかばんに入れてもしわになりにくいなど利便性も意識した。1万2800円。

 売り場の商品陳列も見直す。これまではアイテム単位で陳列していたが、今後はブランドごとに売り場を作る。店内のどこにどのブランドが並んでいるかわかりやすくして、同社の長所であるNBの品揃えが際立つようにする。


「ジーンズメイトは失敗していない」ー宇山敦取締役商品本部本部長

 ジーンズメイトの最大の魅力はNBがあること。しかし、NBを販売しているだけでは当社の存在意義は発揮できない。新PBではNBに足りない要素を補完する。例えば、NBがベーシックなら、PBはファッション性を重視するというように、NBとPBのバランスを取りながら両立を目指す。

 ジーンズメイトは9期連続赤字だが、失敗した会社だとは思っていない。ただ成功していないだけ。昭和のまま時代が止まっていて、誰も手を加えていなかった。社員は皆、とても素直。悪い会社は変なクセが付いている分、まずマイナスからニュートラルな状態に戻すのが大変。ジーンズメイトは限りなくニュートラルに近いので、プラスにしていくだけ。非常にやりやすい。

 ジーンズメイトを立て直すことがファッション業界全体を立て直すきっかけになれば良いと思う。今までV字回復したアパレル企業の例は少ない。ジーンズメイトが成功することで、他の会社の「自分たちにもできる」という機運が高まればうれしい。




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