日本ショッピングセンター協会(SC協会)は8月21日、東京都と「避難対策等における連携と協力に関する包括協定」を結んだ。SC協会が自治体と協定を結ぶのは初めて。「自治体との連携の先行事例」と位置付け、「今後、他の自治体からの要請があれば、同様の取り組みを積極的に行う」方針だ。
協定に沿って、都と協会が「平素から相互に連携」し、地震などの災害に備え、「都民に対する避難先の提供や防災にかかわる啓発活動などに関し、可能な範囲で協力する」。具体的な取り組みとして、防災に関する情報交換、研修会やセミナーやホームページ、ポスターなどによる防災に関する周知活動などを実施するほか、災害時に施設の立体駐車場を避難所として提供することなどを会員企業に要請する。協定の期限は来年3月31日までで、その後は都と協会のいずれかが書面で延長をしないとの通知をしなければ、1年ごとに自動的に延長する。
SCディベロッパーでは既にイオンモールなどが自治体と防災対策などに関する協定を結んでいる。自然災害が頻発し、地域で求められるSCの役割が高まる中で、協定を結んでいない施設を含めて、多くが災害時に避難場所や支援物資の提供などを行っており、昨年秋の台風15号、19号の際も役割を発揮した。
SC協会は地域と連携した防災対策の強化を事業方針の柱に据えており、都との協定締結はその一環。協定を結んだことによって、「会員に対する防災情報の提供や防災活動に関して都の協力が得られ、会員サービスの向上につながる。都との連携関係も維持・強化できる」としている。