新型コロナ発生以降も成長を続ける国内スポーツ用品産業。足元は物価高騰や地政学的なリスクなどで不透明感はあるものの、健康志向を追い風に力強い成長を見込んでいる。スポーツを通じた質の高い生活と、人や社会の発展に取り組む、日本スポーツ用品工業協会会長でアシックス取締役会長の尾山基氏に聞いた。
〝失われた3年〟ではない
――旭日中綬章を受章された。
スポーツ用品業界に身を投じて以来、産業の発展にまい進してきましたが、今回の叙勲は私個人というよりも、日本のスポーツ産業の重要性が認められたと理解し大変嬉しく思っています。スポーツ産業が国内外へ羽ばたくきっかけとなれば、これ以上の喜びはありせん。コロナ禍の3年間はスポーツ用品業界にとって〝失われた3年〟ではなく、世界中の人々がスポーツと健康の重要性を理解する契機となりました。私自身もそうでしたが、多くの人が歩くことをはじめ、ランニングやアウトドア、ゴルフ、サイクリングが成長しました。スポーツ用品の国内市場規模は22年度1兆6226億円(前年比4.7%増)で2年連続のプラスですが、世界はもっと速く成長しています。課題はありますが日本もさらに成長できるでしょう。
――課題とは。
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