独ジャック・ウルフスキン 所有者交代で財務基盤整う

2017/07/11 04:22 更新


 独アウトドア用品大手のジャック・ウルフスキンは6日、所有者が交代し、財務再構築が無事終了したと発表した。ジャック・ウルフスキンは11年、オーナー社長を含む当時の所有者から、中国をはじめとする外国事業の拡大を期待した米投資会社ブラックストーンに売却された。しかしその後、ジャック・ウルフスキンの収益は減少、中国事業も期待通りに発展しなかったという。この状況下でジャック・ウルフスキンは、ブラックストーンへの売却により発生した銀行への負債の返済が難しくなり、財政難に陥った。

 今年初めからジャック・ウルフスキンと債権者側との間で負債の軽減について交渉を開始。4月には、複数のヘッジファンドが負債の一部を銀行から買い上げ、ジャック・ウルフスキンへの負債の軽減と引き換えにブラックストーンからジャック・ウルフスキンの資本を引き受けることが決まったとする報道が流れていた。

 ジャック・ウルフスキンによると、同社の負債額は最終的に3・65億 ユーロ から1・1億 ユーロ に軽減され、加えて新しい筆頭出資者から2500万 ユーロ の融資を受けることが決まった。筆頭出資者には、過半数を出資するベイン・キャピタル・クレジット、HIG/ベイサイド・キャピタル、CQSが挙げられている。

 ジャック・ウルフスキンのメロディ・ハリスイェンスバッハCEO(最高経営責任者)は「当社はこれで事業拡大のための手堅い基盤と必要な資金を得た。伝統的中核市場であるドイツ、オーストリア、スイスと重点市場ではゆっくりながらも再び成長が見られている」と述べた。(ライター・吉田恵子)




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