《ローカルでいこう》岩手県と文化学園、ミドリ安全が連携 若者向けに農業ユニフォーム “地産地着プロジェクト”で地域活性化
岩手県は、県内の縫製事業者の認知度向上と、地元で製造された衣類の地元での着用を進める運動〝地産地着プロジェクト〟の一環で、〝いわて農業ユニフォーム〟の販売を開始した。文化学園と北いわてアパレル産業振興会、地元の若手農業者の協力を得て、産官学連携により製品化。格好よくて高機能な作業服の提案で、若者の農業離れに歯止めをかけ、同時にアパレル産業の活性化を図りたい考えだ。
いわて農業ユニフォームは、岩手県と2年前から連携協定を結んでいる文化学園の文化ファッション大学院大学(BFGU)がデザインを担当。院生12組が36点のデザインを提案し、最終候補に残った5点の試作品から、県の農村青年クラブ連絡協議会の若手5人が、農作業のしやすさ、イベントなど多用途での利用を考慮して1点を選んだ。
1月に企画の概要と試作品を発表後、県内の久慈市に縫製工場を持つミドリ安全が実用化に向けて改良を行い、7月中旬から県庁ほかで受注会を開始。受注販売で8月末まで注文を受け付け、ミドリ久慈衣料で生産し、12月中旬に納品する予定だ。
商品はブルゾンとパンツ、ウエストポーチで構成。ウェアは撥水(はっすい)加工を施した伸縮性の高いポリエステル製。タイトなシルエットながら、立体裁断で動きやすく、袖口と裾は水や土が入らないように面ファスナーを使用した。ボトムは後ろ側のベルト下にプリーツを付け、背中を見えにくくしたイージーフレックス仕様で、レギュラー(7300円)と腰部保護ベルト付き〝楽腰パンツ〟タイプ(1万200円)の2型。カーキとベージュの2色あり、トップは3S~3Lの7サイズ、ボトムは男女各4サイズを揃えた。
袖とパンツに県章を入れたのがポイントで、3点セットでの販売が基本。3点で税込み1万9800円からと通常の作業服程度の価格に抑え、販売拡大を図る。産官学連携の〝地産地着〟運動により、ファッションの力で県内の農業と縫製業の振興、地域活性化につなげたい考えだ。
岩手県“地産地着プロジェクト”の一環で開発した“いわて農業ユニフォーム”