伊藤忠、三井不動産、三菱地所など5社 「物流の2024年問題」対応で新会社設立へ

2024/05/17 12:35 更新


 伊藤忠商事、KDDI、豊田自動織機、三井不動産、三菱地所は、デジタル技術の活用を軸にしたデータの共有・標準化や共同輸配送などで物流を効率化する仕組み「フィジカルインターネット」の24年度中に事業化を共同検討する覚書を結んだ。覚書に基づき、新会社設立に向けた協議を進める。

 荷主会社や運送会社とも連携を行い、新たな物流輸送網を作る。「将来的には、フィジカルインターネットサービスによって生み出されたコストメリットを荷主・運送会社などが享受できる仕組みを構築し、物流の新たなスタンダードとなるサービス形態を目指す」という。

 共同事業では伊藤忠は事業の企画・推進と新規営業、KDDIはフィジカルインターネットのサービス監視、通信環境整備、貨物のモニタリング、豊田自動織機はマテハンの導入と整備、三井不動産と三菱地所は中継倉庫拠点の構築を行う。

 今年4月からのトラックドライバーの時間外労働の上限規制適用に伴うドライバーの人手不足や輸送能力低下などの課題「物流の2024年問題」の解決を含めた「持続可能な物流の実現」を目指した取り組み。フィジカルインターネットはそのための有効な対策として、経済産業省と国土交通省が21年に有識者会議を立ち上げて産業界に導入を促し、40年の実現に向けたロードマップを22年に策定した。24年問題を契機に、共同輸配送など企業の枠を超えた物流の効率化への取り組みが広がっており、今回の共同事業も注目される。

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