井野屋 柄が凹凸に浮き出る「革友禅」の財布を販売

2017/06/16 04:20 更新


 バッグメーカー、井野屋(大阪市)の“日本の手仕事”をコンセプトとする革小物「Afd」(エーエフディ)は、素材の革の柄が立体的に浮き出る「革友禅」を使った財布を販売している。

 革友禅は大阪市の皮革染色業、タケグチの竹口昌昭社長が、染色に失敗して凸凹になった革を「面白い」と評価する人がいたことで偶然に生まれた。竹口社長が、凸凹を生んだ失敗の原因を長年にわたり研究して、独自技法を完成した。秘訣(ひけつ)となる染料の調合などを門外不出として、現在は息子の振一郎さんと親子2代で生産している。

 友禅のように染め板に革を糊張りして、染料を重ねて染色を施す。その革を蒸す過程で革が縮み、柄に合わせて凹凸が浮かび上がる。強い圧力をかける型押しではなく、手作業の染色で立体感を出すため、革本来の風合いを残すのも特徴だ。

 自社サイトやパンフレットなどでは革友禅の生まれた背景や製作過程なども紹介している。17~18年秋冬物では、白をベースにした、ブラック、イエロー、エメラルドの3種のチェック柄を採用した。口金やファスナー、ホック止めなど5種の財布を専用箱付きで販売する。価格は1万2000~1万7500円。バッグのトレンドが小型化していることもあり、三つ折りのミニウォレット(1万6000円)が好評だ。

チェックの革友禅を追加した「Afd」


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