ファッション・コスメ業界を対象にした人材会社iDA(東京)は、派遣法改正に伴う18年問題への対応策として、販売職正社員を積極的に採用する。昨年3月にアンバサダー(販売職正社員)制度を導入し、質の高い販売スタッフの輩出を目的に、同社内で販売職の専門家として派遣社員を契約社員、正社員と段階的に長期育成する制度を新設。現在、213人がアンバサダーとして働いており、希望者も多いため今後も登用を増やす。
【関連記事】人材のiDA 沖縄オフィスと名古屋支店転職部門を開設
13年の労働契約法改正により、13年4月を起点に有期雇用契約が5年を超えた人には無期雇用に転換する権利が与えられた。短時間勤務のパートやアルバイト、派遣社員も、5年勤続すれば正社員と同じく定年まで雇用が保障されることになり、18年4月から無期雇用への転換者が出る。15年9月30日の労働者派遣法改正では、同一の派遣労働者を派遣先の事業所で、同じ組織に派遣できる期間は3年が限度となった。18年9月末から、無期転換や派遣先での直接雇用の依頼が必要な派遣社員が出る。
同社では全国で常時6000人が派遣形態で働いており、その9割以上が販売職。大半は女性で、結婚や出産を機に働き方を見直す人も多い。社内調査で6人に1人は社員化を望んでいるという結果もあり、派遣先での社員化も積極的に進めているものの、販売職を継続しながら社員化を望む全員の希望には応え切れていなかった。
そこで派遣法改正に対応するため、昨年3月にアンバサダー制度を導入。現在は正社員142人、正社員候補となる契約社員71人がアンバサダーとして働いており、福利厚生や賞与の提供、年4回の接客研修も行っている。同制度では派遣先への転籍ほか、店舗運営を受託している店舗での店長やスーパーバイザー、トレーナー職、同社の内勤業務への職種変更も可能。既に派遣先への転籍者も出ており、新卒採用の“ジュニアアンバサダー”も18年度に36人が入社する予定だ。