スキー・登山用品の専門店を運営するICI石井スポーツが、20、30代客と女性客の獲得に力を入れている。一般客に伝わりやすくするため、このほど屋号とロゴを変更。若い層の利用者が多いスマートフォン用アプリの提供企業にも出資した。今後は毎年1、2店ペースで出店、改装にも取り組む。22年8月期には売上高200億円を目指す。
(杉江潤平)
18年10月に屋号を「Mt.(マウント)石井スポーツ」へ変え、ロゴも山を連想させる「M」の文字を大きくデザインしたものにした。変更の狙いは、何の店か分かりやすくすること。これまで同社の展開店舗は、「ICI石井スポーツ」「IBS石井スポーツ」「石井山専」「ICIクラブ」と様々あり、「我々になじみの無いお客様から見れば、分かりづらかった」(荒川勉社長)という。
また昨年には、若い層の利用者が多いスマホ用登山地図アプリ「ヤマップ」の提供会社にも出資し、協業を始めた。互いのサイトに相互送客し、新規客の獲得につなげる。これまでは会員に5%の割引サービスをしていたが、客との関係性を強めるため、メールアドレスを取得し、累計購入金額が多いほど特典に差を付けるサービスを始めた。
いずれも、新規客の獲得と定着を図るための施策。同社の既存顧客は50代以上の男性が多く、「20、30代客」と「女性客」の取り込みが課題となっていた。これらの施策で従来の客をつなぎとめながら、新規客の来店を促す。
今後は店舗投資を強化する。現在32店を展開しているが、今後は毎年1、2店ペースで新規出店を進める。今期から来期にかけては、関東で825~990平方メートルの路面店を開設する計画だ。既存店のリニューアルにも取り組む。今年5、6月には東京・神保町にある「Mt.石井スポーツ登山本店」を若返りのため改装する。
同社は22年8月期を最終年度とする中期経営計画で売上高200億円を目指している。なお、18年8月期は前期比7%増の145億円だった。
