不動産事業のいちご デザインホテルを開発、拡大

2018/07/27 06:29 更新


Medium ichigo

 不動産事業のいちご(東京)は、デザインホテル「ザ・ノット」事業に力を入れている。既存のホテル施設を買い取り、立地に合わせて内装や客室のデザイン、備品や付帯施設を変えるほか、ファッション関連企業との協業やアートやカルチャーなどのイベントも開催する。にぎわいを生み出す、地域のコミュニティーとしてのホテルを作ろうとしている。

(柏木均之)

 いちごは海外からの旅行客増など、宿泊施設の需要が高まる中、宿泊客だけでなく周辺住民の利用も想定した設備や施設で、先行する競合ホテルと差別化しようと考えた。17年12月に開業した「ホテル・ザ・ノット・ヨコハマ」は、横浜国際ホテルを16年に買い取り、改装した。横浜駅から徒歩5分圏内だが、開業から30年以上が経過し、老朽化に加え、出張などビジネス利用の客が多く、稼働率も低下していた。

 そこで、貿易港で近隣に中華街もある異国情緒をテーマに、ロビーや部屋をミッドセンチュリーのアメリカンビンテージに改装することにした。ベイクルーズグループのアクメが客室で使うベッドや椅子などの家具、調度品、什器のデザインや備品を供給した。

開業から一定期間経過した施設をデザインホテルとしてリニューアルしたホテル・ザ・ノット・ヨコハマ

 10階にあったレストランは1階に移し、周辺のビジネスマンやOLが利用できる洋食と中華料理を提供するようにした。代わりに10階には夜景など窓の景色を楽しめる高さを生かしたスイートとツインの部屋を新たに作り、7月下旬に稼働した。

 平均的な宿泊料金が1万円台のホテルに、1泊8万~10万円の部屋をあえて設けたのは、改装前と異なる客層をつかむためだ。スイートもツインも、本物のアンティーク家具をふんだんに使い、家族などグループ客の宿泊以外にパーティーや女子会などでの「SNS映え」も想定した。

横浜店は、7月下旬にスイートルームもオープンし、幅広い客層を狙う

 横浜店は開業以来、稼働率が上がり、口コミによってインバウンド(訪日外国人)の利用も増えているという。今後もザ・ノットのホテルを増やす考えで、8月8日には2号店を新宿に開業する。元は新宿ニューシティホテルで、部屋数は400を超えるが、団体客の利用が主だった。

 新宿店も幅広い利用客のニーズに応えられるホテルに作り変える。横浜とは違う趣向として、備品のカップに波佐見焼のそば猪口(ちょこ)を使い、外国人旅行客に日本の文化を知ってもらうきっかけを作る。新宿中央公園を見渡せる3階には100平方メートルの大部屋と130平方メートルのテラスルームも作る。

 駅から少し歩く距離をあえて楽しめるよう、トーキョーバイクと組み、近隣のマップ付きの自転車レンタルも実施する。ベーカリーやティースタンド、グリルなど宿泊以外の利用客も狙った施設を置くほか、共用スペースにはギャラリーを作り、アートや様々な企業と組んだイベントも定期開催する考えだ。

セレクトショップと組み、調度品からアメニティーまでディテールにこだわった

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