軍物「ヒューストン」に一格上の企画

2015/11/02 17:43 更新


 軍物ウェアを製造・販売するユニオントレーディング(本社埼玉県さいたま市、牧野次成社長)は、主力ブランド「ヒューストン」の一格上のライン「ヒューストン・ゴールド」を今秋発売した。ヒューストンの国内販売が一定行き渡ったことから、別ラインで新たな販路を開拓する。外部企画者を招いて、国内の自社工場で製造している。来春物から本格展開する。

 ゴールドは、都会的かつトラディショナルなイメージのミリタリー。日本の素材や付属を採用し、セレクトショップや百貨店など、ヒューストンの販路より一格上の市場を狙う。アイテムも絞って展開する。

 試験販売である秋冬はアウターのみの4アイテム(各2色)。MA-1やM65(パーカ)、B-15、N-3Bなど定番のミリタリーウエアを“ゴールド流”に解釈、細身のシルエットや軽量化など、全体としてすっきりと仕上げた。裏地にはストライプを施すなどトラッドの匂いも添える。藍染した発色のいいブルーが、他のミリタリーにはない特徴だ。

 商品企画とプレスを担うプロデューサーとして、ベイクルーズ出身で自身のブランド「DKメイド」を運営する加藤大輔氏を招いた。生産は同社の自社工場である大宮産業(山形県)が手掛ける。価格(税別)はMA-1タイプが4万5000円、M-65(パーカ)が5万9000円。

 春夏物は、秋冬企画を一枚仕立てにし、袖にギャザーを施したり、リメーク風にしたり、デザイン性を加えている。

 「トラッドでもモードでも着こなせる企画」(加藤氏)であるため、中期的にヨーロッパでの販売もにらむ。ヒューストンではすでに5年前から欧米、アジアで販売実績があり、「ここ2年伸びている」(牧野社長)。アジア販売に関しては、JFW-IFFでの出展などがビジネスにつながったという。

 同社は57年の創業。本社近くに自衛隊の物資補給地があったことから、払い下げ品の補修などをして販売していた。小売りも本社周辺中心に9店舗を構える。卸し先を国内で300有するヒューストンの売り上げは約8億円(卸価格)。依然伸びているという。

ヒューストンゴールド



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