ヒロタ「ノエラ」 ワンピースやアウターを強化、オケージョンラインも企画

2023/08/22 06:28 更新


今期は強みのアウター、ワンピースを更に伸ばす

 ヒロタの小売り事業で、レディスブランドの「ノエラ」は、増収ながら目標とする売り上げに届かなかった前期(23年6月期)の結果を受け、今期は主力アイテムのアウター、ワンピースを強化する。素材、デザイン、目的の幅を広げ、売上高は20億円超えを目指す。

 同ブランドはフェミニンなテイストが強みで、20代半ばから30代を主力顧客に持つ。前期は、秋冬物主体の22年7~12月で、人気のウールコートを中心に好調に推移したものの、春夏物が主体になる23年1月以降失速した。要因は「若見え」すぎるデザインと、フェミニンテイストへの傾倒と分析する。一部顧客から寄せられていた声をもとにブランドの新規顧客開拓のため、カラーやデザインを変えたところ、従来顧客よりも若いデザインになってしまったことがその一つ。

 二つ目は世の中の流れがカジュアルに傾く中でも、あえてブランドの核となるフェミニンテイストを強力に打ち出そうとしたところ、「フェミニンにもカジュアルにも着回しできる」というブランドの強みが消えてしまったことが響いた。

 こうした分析を受け、秋冬からはデザインを修正。今期の立ち上がりである7月は、キラっとしたラメのジャカードに花柄をあしらったブラウス(9500円)とジャンスカ(1万5000円)がセットで売れるなど好調に推移した。

 今期は年間売り上げの4割を占めるアウター、3割を占めるワンピースを更に伸ばす。アウターでは「素材、シルエットで価格以上のクオリティー」を誇る、着た時にきれいなウールコートが人気だが、今期からはバリエーションを広げ、中わたの中間衣料など秋口のコートにも力を入れる。

 ワンピースは1万7000円から2万円台までプライスレンジを拡大し、「素材、デザイン、目的の幅を広げ、選択肢を増やす」。9月、11月には新たにオケージョンラインも企画し、月に3~4型を出す。増加する結婚式やパーティーの需要に応え、春夏以降も継続する。また、10月以降の気温の低い日にも着られるニットワンピースを増やしていく。

 コロナ禍では実店舗で購入する割合が6割まで落ち込んだこともあったが、現在は7割まで回復した。「メイクやヘアスタイルなどを通じて、スタッフがブランドイメージを発信するのが強み」として直営店での販売に力を入れる。ECでも、XSサイズ企画を9月から月4型始める。ブランドとして伸びしろのあるサイトの販売をより強化し、効率を高めていく。



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事