革小物の「ステイ」 イノシシ革バッグを石川の名産に

2018/07/20 06:23 更新


 イノシシ革を使用したバッグ・革小物製造販売のハタブネコンサルティング(金沢市、吉村祐紀社長)は、革製品ブランド「ステイ」で卸事業を強化する。イノシシ革特有の軽さやメンテナンスのしやすさ、永年保証サービスなどで販路拡大を目指す。

 吉村社長がイノシシに関心を持ったのは、大学院時代に行った石川県の地域問題や地元資源活用についてのグループワークがきっかけ。14年に地域資源を活用した会社を立ち上げ、その中でイノシシの解体・肉の販売・加工品販売などを行っていた。賞味期限の短い商品で、多額の設備投資が必要といった課題があり、約2年前から革製品に特化したステイを立ち上げた。

 ステイで扱う革は、厚さを均一にして傷が目立たない加工を施したもの。植物タンニンなめしのみのイノシシ革とは異なり、粗野な印象はない。同じ厚さのものであれば牛革の約3分の2の重さで、水や傷に強く、メンテナンスのしやすさも魅力だ。製品はボストンやトート、クラッチ、ビジネスといったバッグ類と、財布、キーケースなどの革小物。ボストンバッグ12万8000円、財布5000~6万円。

 欧州では、「祖父のイノシシ革製品を仕立て直し、子や孫に受け伝える文化」もあり、孫の代まで使える革であると認識されているという。ステイでも永年保証を実施し、修理などで長く使ってもらえるように対応している。

 現在は自社店舗での販売が主力だが、今後は卸を強化し、セレクトショップ・百貨店・公共交通機関の機内誌などに販路を広げていく。

パーツも国産にこだわり、上質な革製品に仕上げた


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