ロンドンのH&Mオフィスで、ファッションの高等教育卒業生を対象にしたコンペティション「H&Mアワード2017」の最終選考会が行われ、結果が発表された。グランプリを受賞したのは、リチャード・クインさん。今年2月のロンドン・ファッション・ウィーク中に行われたセントラル・セントマーチンズ美術大学MA卒業ショーでも注目を集めた。勝因として、そのアイデアとテクニック、コマーシャルとしての可能性のほか、「H&M」が力を入れているサステイナブルへのアプローチが挙げられた。
世界40校から500人以上の応募があった。文化服装学院の半澤慶樹さんがセミファイナルまで残っていたが、最終選考には至らなかった。審査委員長を務めた「H&M」のクリエーティブアドバイザー、アン・ソフィ・ヨハンソンは「年々レベルが上がっている。素材を作り込む学生が多く高い技術力を感じた。カラフルな色使いや構築的なシルエットが今年の特徴かもしれない」と語った。
クインさんには賞金5万ユーロと「H&M」からのカプセルコレクションの発売、1年間のメンター(助言)制度が約束されている。
「最近スタジオをオープンしたばかりで、賞金でデジタルプリンターを購入する予定。多くの若いデザイナーが機材を持ってなく、さらにお金もかかるので、プリントスタジオとしてもスペースを提供したいと思っている」とクインさん。ロンドン・ファッション・ウィークでのデビューに向けて、すでに動き始めている。
(ライター・益井祐)
H&Mアワード2017、グランプリ決定
2016/11/22 06:43 更新