GSIクレオス、植物由来の高強力ポリエチレン「バープランツ」を開発

2022/09/01 06:26 更新


CO2排出削減に貢献する「バープランツ」をスポーツ、寝具関連、産業資材など様々な用途で活用する考え

 GSIクレオスは、サトウキビ由来のポリエチレン素材「バープランツ」を開発した。第1弾商品としてミドリ安全から耐切創性手袋を発売した。

 ミドリ安全とは3年ほど前から取引はあったが協業するのは初めて。耐切創性手袋は金属板やガラス、刃物などを扱う製造現場などで手の保護用に使われる手袋。「強度と品質の安定性が何より求められる」(中島康次GSIクレオス・ファイバーソリューション部部長)ため、品質改良を何度も重ねた。撚糸加工は子会社であるGSIマルロンテックスで行うなど、「ミドリ安全の商品開発力とGSIクレオスの素材開発力、GSIマルロンテックスの技術力を融合した」商材だ。

 サトウキビ由来のバープランツは、従来の石油由来の高強力ポリエチレンと比べて、CO2(二酸化炭素)の排出量を約70%減らすことができるという。

 GSIクレオスは、このバープランツを他の産業資材用途やスポーツウェア、アウトドア、寝装品向けなど様々な用途で活用する構え。ニット生地や布帛で試作を始めた。「CO2削減、高強力などに加え、接触冷感も一つの特徴」と枕カバーやベッドカバーといった寝装関連やスポーツ用のインナー、アームカバーなどを想定する。

 ファイバーソリューション部はこれまでストッキングやインナー向けなど衣料用途が大半で、産業資材向けは今回のミドリ安全との取り組みが初めて。今後産業資材分野での拡大も目指す。

 同社は今期から3カ年計画に取り組む。ファイバー事業では環境問題や健康維持などのニーズに対応し、繊維原材料の多様化を進める。また国内外の大手メーカーとの強固な関係を生かした原材料の調達力、GSIマルロンテックスなどグループ工場による高品質、低コストの撚糸加工力、機能性加工糸の開発力といった強みを生かして収益拡大を目指す。今回のミドリ安全との協業は「まさにその方向性に合致した例」とこうした取り組みを増やし、成長につなげる。

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