GS1ジャパンのセミナーから 今後はシームレスなヘッドレスコマースへ 欠かせない統一商品ID

2022/11/07 06:25 更新


 「かつて顧客とのタッチポイント=ヘッドは一つで、基幹システムと密につながっていたが、どんなヘッドができてもシームレスにつなげるヘッドレスコマースがキーワードになった」と石川森生ディノスコーポレーションCECO(チーフEコマースオフィサー)は語った。このヘッドレスコマースには商品ID統一基準が欠かせない。

 流通システム開発センター(GS1ジャパン)のセミナーに登壇し「様々なEC運営を通じて見えてきた今後の潮流と課題」と題し講演した。

 石川氏はディノスも今ではECが大きな売り上げ構成を占めるが、「ウェブだけでは購入体験はそれほどユニークにはならない。リアルと結ぶことが大事」という。コロナ禍による大きな変化の下でECは伸びたが「それでもEC化率は日本では8%程、海外を見てもせいぜい20%」、「全力でECを作っても限界がある」との見方も示す。

 顧客とのタッチポイント=ヘッドは店舗やECサイト、カタログ、テレビなど様々。どこで購入しても優れた体験ができる状況が大切だ。実店舗での新しい購入体験を提供する「アマゾンゴー」やアリババグループのニューリテール戦略など、リアルの動きとウェブのデータを統合しようとする流れが世界に広がりつつあるのはそのためという。

 どんなタッチポイント=ヘッドでもシームレスにつなげ、スムーズにデータ連携・活用ができる仕組みがヘッドレスコマースだ。しかし、「ヘッドレスを阻む商品IDの問題がある」という。家具などの商品カテゴリーでは、JANコード(日本共通商品コード)はあまり使われず、分散したデータベースの同一商品のデータを統合する名寄せはほぼ不可能と話す。JANのような「商品ID統一基準がマスト」な理由だ。

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