grabss(グラブス、横浜市)は、ODM(相手先ブランドによる設計・生産)企業に眠るサンプル品を、消費者に販売するEC(電子商取引)サイト「サンプルバンク」を25日オープンする。大手アパレル・セレクトショップを取引先とするODM 4社のレディス一点物100アイテムでスタートする。当面、消費者向け販売の拡大が重点だが、ODM企業と小売業を結ぶチャネル構築が狙い。販売店向けサイトも準備している。
サンプルバンクは14年9月にプレオープンし、サンプル15点(Mサイズのみ)を試験販売した。サイズの要望が多かったため、今回はSサイズ専門のODM企業も加え、100アイテムを順次販売する。
また、20代後半~30代後半の購入がほとんどだったため、オフィスカジュアル、ナイトアウト、ホリデーの3スタイルに区分した。商品撮影など全てグラブスが行う。サンプル品ではあるが、有力セレクトショップなどに納品するODMを集め、消費者は上質な商品を手ごろな価格で購入できる。当面、月間1000アイテムの販売を目指す。
さらに、サンプル在庫を利益に結びつけるBtoB(企業間取引)の仕組み作りに取り組む。クローズドの販売店向けサイトも準備している。販売店からの発注をODM企業につなぎ、数十枚までなら生産する態勢もあるという。
下平誠一郎グラブス代表は「ODM企業とのスピード感ある取引を実現し消費者に上質なファッションを提供するとともに、販売店とODM企業とのパイプ役としてアパレル市場の活性化や新たな市場開発の一翼を担いたい」という。
プレオープンでは、一点物が欲しいというスタイリスト、カメラマンなど、様々な問い合わせがあり、こうしたニーズを販売店の認知度向上に結びつける手法も検討している。アパレル販売事業を始めたいという企業からの問い合わせもあったという。
ソフトウエアやホームページなどの受託開発を主力とする同社は自社メディア開発にも力を入れ、チケット予約管理サービス「チゲット」やクラウドファンディング型芸人支援サイト「芸人ラボ」などを運営している。サンプルバンクはその最も新しい取り組みだ。