日本ゴアは、透湿防水性に優れた次世代の「ゴアテックスプロ」を使った新ウェアを各メーカー・ブランドが販売することを記念したイベントを9月8日に都内で開いた。新ゴアテックスプロは、PFAS(有機フッ素化合物)を排除したePE(延伸ポリエチレン)メンブレンを使い、より過酷なアウトドア環境での使用を想定して開発したファブリックだ。
イベント前半では同素材の開発の歩みや現在研究が進む防水透湿ウェアの耐久性評価の研究に関して同社が説明。後半にはプロ登山家で14座の8000メートル峰を登頂した竹内洋岳さんと渡邊直子さんによるトークセッションを行った。

ゴアテックスはメンブレンに疎水性と耐久性に優れたePTFE(延伸ポリテトラフルオロエチレン)を40年以上採用してきたが、生産工程で使っていたPFASの懸念から、14年からは補完素材の研究開発を拡大。17年にはePEを実用的な補完素材として定め、開発を加速させた。
新ゴアテックスプロは耐久防水性と透湿防風機能を備えつつ、より薄く軽い。カーボンフットプリント(製品の素材調達から製造、廃棄にいたるまでに排出される温室効果ガスの総量)は従来品に比べて平均23%削減できるという。25年秋には「パタゴニア」「アークテリクス」「ザ・ノース・フェイス」「デサント」「マムート」など30ブランド以上で採用された。