ゴールドウイン 競技分野で直営事業を本格化

2017/05/16 06:30 更新


 ゴールドウインが、アスレチック(競技用)分野で直営店事業を本格化している。「ザ・ノース・フェイス」(TNF)など好調のアウトドア事業で培ってきた小売りノウハウを生かし、ライフスタイル(普段使い)品との融合やブランドミックスによる売り場作りを進めている。「チャンピオン」の事業譲渡などで同社のアスレチック部門は減収が続いたが、直営店ビジネスでテコ入れし、18年3月期は3期ぶりの増収を目指す。

 今春アスレチック部門で直営店を出したのは、女性向け高機能品の「ダンスキン」と、グループ会社が手掛けるラグビー用品の「カンタベリーオブニュージーランド」の新業態。

 ダンスキンは、3月14日に東京・銀座のマロニエゲート銀座2地下2階(広さ56平方メートル)、4月17日に名古屋のタカシマヤゲートタワーモール6階(同)に出したほか、3月15日には高島屋新宿店8階に新設された編集ゾーンにもコーナーを構えた。カンタベリーは3月15日に東京・新丸ビル4階に、トレーニング用品を中心に揃えた「ラグビープラスカンタベリー」(約66平方メートル)を出した。

 店づくりでは、ゴールドウインが近年蓄積してきたノウハウを活用し、消費者への浸透に努めている。例えばブランドのミックス編集。タカシマヤゲートタワーモールに開設した「ダンスキンビューティフルシングス」では、ダンスキンのコアアイテムを軸にしながら、ゴールドウインが展開するTNFや「C3フィット」「MXP」なども加えた。

 これにより、ショップ全体のイメージを統一しつつ、スポーツから日常までカバーできるスタイル提案につなげ、客の選択余地を広げた。ダンスキンでブランド複合店舗は初めてだが、売り上げは計画を40%上回っている。

 開業1年を迎えたアスレのセレクト店「ニュートラルワークス.トーキョー」(東京・外苑前)では、課題の認知向上にアウトドアの既存直営店を活用する。昨年10月からTNF原宿店など15店内に、ヨガマットやTシャツ、バッグなどを置いた小コーナーを設置。ホームページやSNS(交流サイト)での情報発信なども寄与し、入店客数は増えている。

 ゴールドウインでは今後もアスレ部門での直営出店を増やすとともに既存店を軌道に乗せ、今期の部門売上高で165億円(前期比5.7%増)を見込む。

タカシマヤゲートタワーモールのダンスキンビューティフルシングス


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