福島の技術生かすガールズライフラボ

2015/03/04 06:32 更新


 福島県の伝統工芸に着目し、女性が「かわいい」と思う商品を開発・販売するガールズライフラボ(福島県郡山市、日塔マキ社長)がこのほど、ジュエリーの新ブランド「ヒトトキ」を立ち上げた。第1弾は齋栄織物(同川俣町)のシルク織物を水晶で挟んだピアスやネックレス、ブレスレット。3月中旬に自社のネットショップで発売し、セレクトショップなどへの卸売りも予定している。

 本物志向の20~30代を対象に、付加価値の高い商品開発に取り組んだ。第1弾は「カスミ」。「ふわりとしたベールのようなシルクを天然の水晶に閉じ込め、柔らかなかすみをイメージした」と同社。ピアス(1万5000円)、ブレスレット(2万4000円)、ネックレス(2万8000円)があり、それぞれ淡いブルー、ピンク、グリーンを揃える。

 福島県はシルク織物の産地で、川俣町を含む伊達地方は古来から養蚕・機織業が盛んな土地。齋栄織物のシルク織物は、8 デニール ほどの絹糸で織った極薄の「フェアリー・フェザー」。日塔さんは「向こう側が透けて見えるほど薄くて繊細なところ」にひかれて商品化が実現した。

 商品はシルク織物を上下から水晶で挟み、立方体の形に加工して作る。水晶にもこだわり、宝石研磨の高い技術を持つ老舗の貴石彫刻オオヨリ(山梨県甲府市)と協業。継ぎ目がわからないほど丁寧に仕上げている。5月にも三春町の和紙や、からむし織をシルク織物同様に使ったジュエリーを出す。

 ガールズライフラボは12年12月に設立。福島第一原発事故の放射能汚染の問題を抱える福島で、「新しい福島の魅力を生み出して、地元の女の子たちが前向きな気持ちを持てるきっかけを作れたら」との思いで活動している。会津木綿を樹脂で挟んで作った「ふくいろピアス」(1620円=税込み)や、会津漆で仕上げた髪留めなどを職人との対話を重ねて開発。自社のネットショップやセレクトショップに販売している。

 日塔さんは「10、20年と使い続けてもらえる良いものを作りたい」と同時に、「福島で雇用を増やしたいので、高価なものを販売していく」と考えて、ヒトトキをスタートした。



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