《フレッシャーズの皆さんへ》“売る”から“価値を生む”産業へ

2026/04/01 06:30 更新NEW!


東京でも3月中旬に咲いた桜

 繊維・ファッションビジネス業界に就かれた皆さん、おめでとうございます。全国的に開花が早まった桜とともに新たな門出を祝い、歓迎の言葉を贈ります。

 今、この業界は転換期にあります。華やかに見えることは変わりませんが、国内市場は低成長が続いています。物価高によって人々がファッションに使う支出の割合は高まらず、コロナ禍前の水準を下回ったままです。消費行動がシビアになり、簡単には商品が売れません。

 以前よりも価格に敏感で鋭い目を持つ消費者に向き合う業界側は、在庫の最適化や供給網の見直し、サステイナビリティーの対応などが同時に求められています。決して簡単な業界ではないですが、だからこそ挑戦する価値があり、面白いと考えます。

 課題があるということは、それだけ変化の余地があるということです。つまり、新しい力を必要とし、その力がある人には可能性が満ちています。

 ファッションが好きで、この業界に進んだ人が多いことでしょう。けれども、その気持ちを満たすだけに終わる場所ではありません。商品企画からブランド戦略、店舗運営、EC、データ分析、物流、リセールのほか様々な仕事が広がり、多様な組み合わせがあります。感性だけでなく、論理やテクノロジー、社会課題への理解が求められる業界であり、高い総合力が欠かせない産業です。自身の「好き」を入り口にしながら、世界中に目を向け、社会で通用するビジネス力を磨けることは、この業界の大きな魅力です。

 さらに、AI(人工知能)を活用した商品・サービス提案のほか、新たな顧客体験の創出や業務の最適化・再設計、循環型ビジネスの仕組み作りなど、この業界は、〝売る力〟だけでなく、〝価値を生む力〟が問われる産業へと進んでいます。

 この可能性豊かな世界で、大いに走り回る皆さんに期待しています。自身の感性を社会の価値に変えていってください。中東をはじめ様々な地域での軍事行動に終わりが見えず、時代は不確実性を増し、混迷を深めていますが、繊維・ファッションビジネスは平和でこそ発展する産業です。

 第一に、自由にものを言い、多様性を認め合うことを基本に、彩り豊かな社会に貢献できるからです。この素晴らしい特徴を発展させ、新たな価値作りに挑戦していただけたら幸いです。繊研新聞社は皆さんを応援しています。

(編集局長・若狭純子)

関連キーワードピックアップニュース



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事