創業者フレッド・サミュエルの孫娘のヴァレリー・サミュエルさんは、93年にフレッドのクリエイティブアンドマニュファクチャリングディレクターとしてキャリアをスタートした。97年にラリックに入社しジュエリーとウォッチメイキング部門を設立、04年に同社インターナショナルマーケティングディレクターとなった。スワロフスキーを経て17年にフレッドへと戻り現職に就いたサミュエルさんに、多彩なキャリアを経てカムバックしたフレッドへの思いを聞いた。
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フレッドへの帰還は素晴らしいプロジェクトであり、運命だったと思います。LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトングループ傘下に入ったフレッドと、新たにメゾンのアドベンチャーを一緒に生きることができて、今はとても幸福です。
他のメゾンを経験したことは自分を豊かにしてくれました。コレクションをドライブさせるには、マーケティングの視点とアーティスティックな視点をバランス良く持つことが重要です。私は、キャリアを通じて双方を経験することができましたから。就任後は、フォース10や8デグリーゼロといったアイコニックなコレクションを再解釈し、新モデルをリリースしてきました。それとは別に、19年に新しいコレクションもローンチする予定です。
フレッドの根底には、生きる喜びと開放的なグラムールがあります。祖父はリビエラをとても愛していました。彼がアルゼンチン生まれであり、ラテンアメリカの光や色を愛していたのが、コートダジュールを愛していた理由でもあると思います。
祖父はとてもすてきな人で、心の広い博愛的な人でした。傍らで育ち、共に仕事をする機会を得られたのは本当に幸運なこと。宝石やクリエイションへの情熱を継承することができたと思います。それは人生における価値観の礎となるものであり、次は私が子供たちに引き継いでいきたいと思っています。
