【パリ=松井孝予通信員】伊メゾン「フェンディ」を擁する仏LVMHは9月29日、アクセサリー・メンズウェア部門のアーティスティックディレクターで、創業家3代目のシルヴィア・ヴェントゥリーニ・フェンディ氏が10月1日付で名誉会長に就任すると発表した。今後はフェンディの歴史やサヴォワールフェール(匠の技)を広く伝承し、家具ライン「フェンディ・カーサ」を含むブランドの発展を支える役割を担う。
同氏は20歳でアクセサリーデザインを始め、65年にフェンディに加わったカール・ラガーフェルド氏とともに同メゾンの成長に貢献した。97年にはメゾンのアイコンとなる「バゲットバッグ」を生み出し、10年からメンズラインを率いた。キム・ジョーンズ氏退任後はウィメンズを暫定的に統括。今年の創業100周年を祝うショーでは「ローマのシック」を再提示し、節目を飾った。
本人は声明で「祖母や母の名の下で歩んできた旅だった。ラガーフェルド氏から分かち合う精神を学んだ」と述懐。ラモン・ロスCEO(最高経営責任者)は、「彼女のビジョンがフェンディを国際的成功へ導いた」と称賛した。