ファーストリテイリングのユニクロは、6月20日の世界難民の日に合わせ、難民が作る手工芸品ブランド「MADE51」(メイドフィフティワン)の商品を国内9都道府県の23店と米国、英国、イタリアの店舗で販売する。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と連携して行うもの。
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MADE51はUNHCRが立ち上げた、難民たちが作る手工芸品を世界で販売し難民の自立と生活再建を支援するプロジェクトで、ファストリは21年から支援を開始した。3回目の販売店舗を22年の5店から拡大し、より多くの来店客の目に触れるようにすることで難民問題の認知度向上を図る。
国内で販売するのはビーズ細工のキーチェーン(税込み1500円)8000点とブレスレット(990円)2万点。難民が自国の伝統技法で作ったもので、ファストリと取引のある中国の工場で、検品、最終仕上げを行った。売り上げの28%は作り手の難民とUNHCRに寄付する。
店頭での商品販売に加え、30歳以下の若い世代を対象にした「ユース難民アートコンテスト」も開催する。難民とともに描く希望をテーマにした作品を6月15日~9月30日に募集、選ばれた作品はファストリがTシャツやMADE51のホリデーカードにして世界中に届ける。
UNHCRの伊藤礼樹駐日代表は「世界には1億1000万人の難民がいて、その数は増え続けている。同じ支援だけではこの問題は解決できない」と話し、「グローバルな流通業が支援の輪に加わることで、難民が自立支援を目指せるきっかけやそれを後押しする社会的な機運が高まる」とファストリと連携する意義を語った。
ファストリのシェルバ英子コーポレート広報部長はUNHCRとの取り組みについて、「MADE51の規模を前回より拡大し、より多くの社員、お客様に取り組みに触れてもらえる機会を作った。作り手である難民女性たちが、まずは社会とのかかわりを作り、それが自立のきっかけになっていけば」と語る。