セイコーエプソンと京都大学大学院は、デジタル捺染の新たな価値創造を目指した共同研究を開始した。同大学院総合生存学館アートイノベーション産学共同講座の土佐尚子特定教授が推進する「アートイノベーション」と融合し、オンデマンドのビジネスモデル実現を狙う。
土佐教授はビデオアートをギャラリーで発表するほか、プロジェクションマッピングなどでも表現する。代表作「サウンドオブいけばな」やその他のアート作品でこれまでも両者は協業し、作品をデジタル捺染することで服飾品という形にするアートファッションの制作を行ってきた。
今後、これまでの試作品を通じてデザインや品質を向上させ、ECサイトで作品を販売していく。服飾品の意匠性を芸術領域まで高めるプリント制作や、ECサイトで得たノウハウをもとに、エプソンが目指す分散印刷や消費地での生産、小ロット・短納期、在庫削減、パーソナライゼーションを実現する。
またアーティスト個人のオリジナルデザインの服飾品をオンデマンドで生産・販売できるビジネスモデルの社会実装を目指し、デジタル捺染の普及、アートとファッションの融合、次世代の人々の支援を推進する。
22年1月9日まで、東急プラザ表参道原宿で土佐教授のビデオアートの展示や制作した服飾品の展示を行っている。