産地の技術や素材を見て触れて、感じてほしい――「遠州織物コレクション2026」(主催は静岡県繊維協会)が2月、都内で開かれた。遠州産地の織物メーカーや産元商社が出展し、生地問屋やアパレルなどが来場した。「シンヤコヅカ」との協業も見せた。
「遠州織物の魅力を伝えていくためにはアパレルとの連携が必要。そのきっかけにしたい」と10年以上、年に1回首都圏で開催している。今回は8社が出た。
初出展のあかね屋は希少な絹糸「玉糸」を用いたシルク100%の「ざざんざ織」を紹介した。玉糸の節が独特な表情を作り、風合いはしなやかだ。取引先はきもの問屋のみで、新規分野を開拓している。自社でストールや帯締めなど小物を作り、ハンドメイドマーケットプレイス「クリーマ」に出店している。

髙田織布工場は麻織物や綿の太番手糸のキャンバスやツイルといった厚地織物を得意とし、産元商社の委託生産が多い。独自素材も開発・生産し、自社で作ったかばんやワッフルのタオル、生地などをクリーマや販売会で売っている。児島発のブランド「エルカネック」が同社の生地で仕立てた服も展示した。

様々な黒色を打ち出したのは、細番手のシャツ地が主力のケイテキスタイル。同じ黒色の染料でも、染工場がある場所の地理的条件や前処理、組織、加工の違いで色の出方が異なることを生地見本で紹介した。新作のテキスタイルは解撚糸をシャトル織機で織った。
麻を中心とした生地の企画製造・販売のタケミクロスは、天日干しのリネンなどを揃えた。小ロットで注文できる対応も訴求した。
同協会では4、5年前から「新テキスタイル開発」に取り組んでいる。遠州産地の素材企業とデザイナーが生地を開発、製品を作り販売する。協業先は糸編の宮浦晋哉代表がコーディネートする。今年度はシンヤコヅカと鈴木織商、タケミクロス、山﨑テキスタイルが組んだ。
製品開発は1年をかけ、デザイナーが産地に足を運び、打ち合わせを重ねる。参加したメーカーからは「デザイナーの考えが直接伝わる」と好評だ。同協会の小田益秀専務理事兼事務局長は「遠州産地の技術は高く、良い製品を作り出す可能性を秘めている。事業を通じてユニークな生地が増えてきた」と今後にも期待する。
