レンチング「エコヴェロ」 欧州の環境規制を背景に需要が急増

2024/06/11 06:27 更新


欧州で需要があるユニフォーム分野は日本でも用途開拓の重点分野

 オーストリアのセルロース繊維メーカー、レンチング・グループの環境配慮型レーヨン「エコヴェロ」の需要が、急速に高まっている。環境に関わる欧州の規制を背景に、環境負荷を抑える物作りはもちろん、欧米ブランドを中心に要求される環境・人権関連の監査にも対応できる透明性の高いサプライチェーンが強みだ。

 エコヴェロは認証済みの再生可能木材を原料に、水使用量や二酸化炭素の排出量が一般的なレーヨンに比べて最大50%削減されるなど、高い環境基準を満たしたレーヨンとされる。エコヴェロには廃棄衣料を活用した「リフィブラ」タイプや黒原着タイプなどもあり、市場で広がっている。

 日本市場向けも「荷動きはいい」という。これからは同社の環境負荷を抑えた物作りや、欧州の採用事例を日本にも積極的に情報発信し、日本市場からの関心をさらに高めたい考え。その一環で、日本の繊維産地を訪れ、産地企業と対話の機会を増やそうと検討している。「欧州市場開拓のヒントにしてほしい」という。

 9月にはファッション産業の環境・人権問題に取り組むファッションレボリューションジャパンと共同でタイの工場見学を実施する。「服作りの原料から縫製までをたどり、ファッション産業の透明性について学び考える旅」と題し、レンチングの「テンセル」生産工場を含め、紡績、織布、編み立て、染色、縫製、仕上げまでの各工程を担う4工場を6日間で見学する。



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