今年3月で10周年を迎えた「ドーバーストリートマーケットキンザ」(DSMG)は10月29日、アニバーサリーイベントを開いた。店内で扱うブランドのデザイナーのほか、国内外で活躍するアーティスト総勢40組近くを招き、ワークショップも織り交ぜながら、来店客と集う喜びを共有して盛り上がった。
(須田渉美)
限定商品揃えEC販売なし
10周年とあって、ブランドの協力を得ながら、7フロアそれぞれに限定商品を揃え、ECでの取り扱いはなし。「店頭に来て頂いて、見て欲しいと考えまして、取り置きも今回は受け付けていないんです」と広報担当者。ホームページなどを通じた告知で最も注目されていたのは、10周年のカスタマイズTシャツだ。12年から22年の西暦年のナンバーを並べたグラフィックプリントは川久保玲がデザイン。国内外の50ブランドのデザイナーらに託し、自由な発想でアレンジしてもらった製品(2万2000~24万2000円)を販売した。
オープン前の午前10時~正午に招待客(顧客)のみが買い物できる時間帯を設けたが、そのほとんどがTシャツを展示販売する6階に殺到。購入は1人10枚までと規制するなかで、複数買いしていく客が目立った。8枚を購入したカップルに聞くと「事前に告知されたデザインのほかに、今朝届いたTシャツもあって、探す楽しみがあった」と話す。熊の人形が飛び出す「ダブレット」、袖にMA-1のディテールを取り入れた「サカイ」は「写真で見るよりも、めちゃくちゃ可愛くって、とても気に入っている」と満足げ。
一般客の入場は正午以降で、開店前には、1ブロック先のバーニーズニューヨークまで行列が出来ていた。「オープン時を思い出します」と店の担当者。開店後は入場規制を掛け、館内がごった返すことなく、買い物を楽しめる環境を保って運営した。午後1時半過ぎまでは行列が続き、同様に6階のTシャツ売り場は熱狂が続いていた。