「ダブレット」18年春夏 テーマは“生ける在庫”

2017/07/31 11:00 更新


 メンズ中心の「ダブレット」(井野将之)の18年春夏のテーマは「アンデッドストック」。未使用のままで倉庫などに眠っていた古着を指すデッドストックと、打消しを表すUN(アン)を組み合わせた造語で、意味するところは‟生ける在庫”だ。思わず笑ってしまうようなギミックを随所に盛り込んでいるところがブランドらしいが、刺繍、ジャカード織りといった定番手法以外にもアイデアの引き出しが広がっており、新鮮さにつながっている。

 ビニール袋に入ったデッドストックのシャツから着想したのが、「パッケージをそのまま着る」発想のTシャツ(2万1000円)やボタンダウンシャツ(3万5000円)。折り畳んだシャツを2枚の透明箔のパッケージで挟み込んで販売する。着用する際は封を開ける要領で箔を取り除くと、部分的にパッケージの柄が残る仕掛けだ。長年畳んでいたことでできる畳みじわを編みの変化で表現したコットンセーター(4万2000円)や、ヒップポケットにフラッシャー(紙製タグ)が付いたようなデザインをジャカード織りで表現したパンツ(3万4000円)なども面白い。カジュアルのイメージが強いが、ウィットを感じさせるスーツスタイルも充実した。

 SNS(交流サイト)での拡散をきっかけに、海外バイヤーからの引き合いも高い。18年春夏の海外卸先は5軒増え、25軒前後となる予定。ただ、「国内外ともに、やみくもに拡大するのではなく、既存店との取引をじっくり深めていきたい」と話す。

ダブレット



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