百貨店の24年福袋、コト消費企画が増える 好調な高額品も用意

2023/10/27 06:28 更新


銀座の街の魅力を詰め込んだ(松屋銀座本店)

 24年の百貨店福袋は、コロナ下での行動制限が無くなり、家族、友人と一緒に過ごす「絆消費」や日常ではできない特別な体験など「コト消費」に対応した企画が増えている。好調な高額品とともに、物価高騰による生活防衛意識の高まりを反映した福袋を用意する。

 松屋銀座本店は1月1、2日を休業し、3日から初売りを実施する。25年の開店100周年に向けて、銀座の街と連携した体験型福袋を出す。きもの専門店「銀座もとじ」の大島紬を着て、花柳界が新橋演舞場で年1回開く「東をどり」(24年5月25、26日)を観賞する。幕あいに新橋料亭の限定弁当を味わえる。税込み3万8500円で3組限定。

 高島屋はサウナブームを反映して「ムービングサウナ」を販売する。軽トラックなどの荷台に乗せて運ぶことができ、好きな場所に設置してサウナを楽しめる。チェア、ポンチョ、ロウリュセット(おけ、柄しゃく)付きで220万円(1台限定)。

 堅調な高額品消費では大丸東京店が9匹の竜が彫刻された水晶(1億円、1個限定)を用意する。東武百貨店池袋店は金製品やアートのサブスクリプション(定額課金)の福袋を出す。金は竜が彫られた大判と銚子(ちょうし)、杯のセット(2024万円)で、資産として親から子へ受け継いでもらうように企画した。アートのサブスク(100万円)は美術画廊の人気作家から、好きな作家を1人選んで絵画を楽しめる。オリジナルの作品を描いてもらって、年4作品が届く。福袋の店頭販売は1月2日から。

金製品の福袋を企画する(東武百貨店池袋店)

 社会課題の解決につなげようと、西武池袋本店は放置すれば害となり、使えば資源になる竹製品福袋(77万7001円)を企画する。竹ヒゴを不規則に編み込んでいく独特な技法で制作されたベンチ、天然成分100%の無添加洗濯用竹洗剤、竹炭入りの黒バウムクーヘンなどをセットにした。初売りは1月1日に実施する。

循環型の素材である竹に注目した(西武池袋本店)


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