繊研新聞社が主催する23年度百貨店バイヤーズ賞のベストセラー大賞が決まった。百貨店バイヤーの推薦の多さから、メンズはエクスプローラーズトーキョーの「タケオキクチ」、レディスはオンワード樫山の「23区」が受賞した。
タケオキクチは初の大賞。トータルブランド部門で、23年春夏に続き23年度でもベストセラー賞を受賞した。コロナ禍以前に部門を細分化していた時期を含め、直近10年間で19年度までベストセラー賞を連続受賞してきた。23年の販売は、春夏がカジュアルウェアや雑貨の動きが活発で2ケタ増となり、秋の立ち上がりは残暑で鈍化したものの、クリスマスギフトを含めた冬商戦が浮上し全般的に堅調だった。客層はカジュアルが30~50代中心だが、成人式やフレッシャーズ需要を捉え20代の比率も高い。40周年を迎える今年は様々な仕掛けで、さらなるファン拡大を狙う。
23区は昨年ブランド30周年を迎え、「上質リーズナブル」の強みを生かしたMD戦略で、客の支持が高まった。記念企画ではアーカイブ商品のアップデートやカスタマイズ商品で既存顧客とのエンゲージメントを深めた。ブランドアンバサダーには俳優の杏さんを起用し、販促も強化し新規客も獲得した。定番素材を軸に主力商品の進化や気温変化を先読みしたジャストニーズ商品の拡充など、新たな価値追求に注力している。23年3~11月の売上高は前年同期比17.2%増だった。実店舗にはOMO(オンラインとオフラインの融合)の「クリック&トライ」サービス導入が進み、顧客の満足度が高まり来客が増えた。