百貨店の福袋 3密避け事前予約制や受け取り方法に工夫

2020/11/02 06:29 更新


マスクの福袋(松屋銀座本店)など今年ならではの企画が多い

 百貨店各社が21年の福袋を披露した。新型コロナウイルスの影響を考慮し、3密を避けるためにネットや店頭で事前予約を受け付けたり、受け取りも配送や店頭に分けたりなど工夫している。また、正月三が日の混雑を避けるために年内から福袋を販売開始するなど、異例の福袋商戦になりそうだ。

 松屋銀座本店は、福袋の数を前年の8割ほどに減らし、約2万個を用意する。年内販売と年始販売にわけ、年内は12月26~31日、年始は1月2、3日に販売する。事前予約制も導入し、約10種類の福袋をインターネットで12月9~20日に受け付けるほか、店頭では12月26日に各売り場で整理券を配布し、受け付ける。インターネット予約では来店して受け取るか、クレジットカード決済や代引きで配送で受け取るか選べるようにする。

 福袋のテーマは「応援」で、「誰か」や「どこか」を応援することにつながる福袋を販売する。紳士服では全国の職人や物作りを応援する福袋を用意、青森県を応援するパターンオーダースーツ福袋6万6000円(13万~18万円相当)限定5袋などを企画した。他にも、「Go To トラベル」応援や、マスク生活応援、巣ごもり美容応援など今年ならではのテーマの福袋を企画した。

 西武池袋本店は、前年並みの15万個を揃える。販売期間は前年よりも14日間増やし、12月26日から1月11日まで販売する。事前予約は約500ブランドを対象に店頭で12月上旬から順次受け付ける。販売当日は開店前に整理券を配布し、混雑緩和を図るほか、人気ブランドは特設会場を設ける。また、ネット販売も拡大し、ショッピングサイト「e・デパート」での福袋の品揃えは前年比30%増と強化する。「コロナ禍で正月も引き続き外出が少なくなると予想される中で、お正月の楽しみとしての期待に応えたい」として今年も例年通り元日から営業する。

 高島屋も各店で12月2日から順次、事前予約を受け付ける。店頭予約は日本橋店、新宿店、玉川店など15店で、高島屋オンラインストア上でのウェブ予約は横浜店、大阪店、京都店の企画だけを受け付ける。1月2、3日は店頭での福袋販売はしない方針だ。受け取りは年内または1月4日以降とする。

 東武百貨店池袋店は、「日本にエールを送ろう」をテーマに福袋を企画、イエナカ需要が続くと予想し、国産本マグロが1尾分定期便で届くサブスク福袋などを用意した。ネットや店頭で受け付ける応募抽選型の福袋や、ネット事前販売の福袋も強化し、店頭の混雑を緩和する。

西武池袋本店ではハンモックなどイエナカ需要に対応


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