【ロンドン＝若月美奈通信員】英国大手百貨店チェーンのデベナムズは12月1日、再建を断念し、店舗閉鎖の準備を進めることを明らかにした。
全国に124店を有するデベナムズは19年4月に経営破綻し、管財人の管理下に置かれたが、債権者が設立した新会社の下で再建を図った。今年4月、コロナ禍によるロックダウン（都市封鎖）中に2度目の経営破綻に陥り、再び管財人の手に渡った。大手スポーツ用品小売りチェーンのJDスポーツが買収に名乗りを上げていた。しかし11月30日、同百貨店の最大インショップ企業であるアルカディアグループの経営破綻により、買収提案が取り下げられた。
2度目のロックダウンが解除され小売りの営業が再開される2日から、50～70％オフを掲げた在庫一掃セールを実店舗とECで実施。在庫が無くなり次第閉店する。それにより1万2000人の従業員が職を失うことになる。
1778年創業。ファッション商品を主力とした庶民的百貨店として英国民に親しまれてきた。ジャスパー・コンランやジョン・ロシャといったベテランからハウス・オブ・ホランドのような新進ブランドまで、ロンドン・コレクションで活躍する多くのデザイナーブランドと組んだ廉価なオリジナル商品を販売していたことでも知られる。
