クリケットの「トプカピ」 EC軸に30~40代獲得

2020/01/06 06:29 更新


 服飾小物雑貨洋品卸・小売りのクリケット(東京、藤本幹雄社長)は、レディス雑貨ブランド「トプカピ」でECを軸に顧客の若返りを進めている。ECのブラッシュアップのほか、30~40代の女性客への認知を広げるため、12月12~25日には初の期間限定店をラゾーナ川崎プラザに出店。「多くの新しいお客の来店があった」(山本貴考執行役員レィス営業部部長)と手応えを感じている。

(藤川友樹)

 自社ECではすでに30~40代の購入客が増えてきた。自社ECでの売上高におけるスマートフォン経由の売り上げ比率が8割を超えるようになったため、特に「商品の第一印象に直結する商品画像を重視している」という。

 従来から商品の写真撮影を内製化していたが、19年秋から一段と強化した。本社の倉庫の一部をスタジオにして専属カメラマンを採用。1商品当たりの画像点数を増やし、販売開始とタイムラグなしにECに商品情報を掲載できるようにしている。

 またECの見え方も刷新し、トップページを画像中心の構成にした。トップページに掲載する商品の情報は画像と価格に絞り、インスタグラムなどのSNSが浸透しているF1層(20~34歳の女性)の購買動向に合わせた。

 SCを中心に全国で10店舗以上ある既存の直営店は、40~55歳が中心顧客となっているが、ECとの連携を進めることで、「ECを見て来店するケースが増えている」という。直営店とECの事業部を一体運営して、EC事業部内にSNSや販促の担当者を置いた。「自社ECで訴求しているアイテムやキャンペーン商品を実店舗でもしっかり販売してVMDも連動できる」体制を敷いていることが実を結び始めている。

 予約販売にも取り組んでおり、商品ごとの「アクセス数」「お気に入り登録数」「購入率」などを指標に前年の売り上げと比較することで、初回生産量や期中の価格コントロールなどMDの最適化に役立てている。今後はアプリによるCRM(顧客関係管理)を強化する。アプリは現状、商品情報やセール情報の案内にとどまっているが、買い上げ客へのサンクスメールや、購入した商品の手入れ情報、店への再来店を促すノベルティー配布の告知などを行う予定だ。

 ラゾーナ川崎プラザに出店した期間限定店では、インフルエンサーを招いてSNSで認知拡大施策を打った。バッグに貼り付けるステッカーなどの新商品も開発した。「新しいブランドイメージを浸透させるため、積極的に期間限定店を出店する」考えだ。

ラゾーナ川崎プラザに初の期間限定店を出した


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