【PR】プロジェクトトーキョー COSAEMA(コサエマ)初出展

2021/03/01 00:00 更新


「靴の街」大阪、老舗靴メーカーをバイヤーが変える!~同じ木型で靴はどこまで変わるのか?~

COSAEMA(コサエマ)とは?

 渋谷ヒカリエで3月10、11日に開かれる合同展「プロジェクトトーキョー」に大阪靴メーカー協同組合の「COSAEMA(コサエマ)」が初出展する。ブランド名には大阪弁の「ええ靴こさえまっ(=良い靴作ります!) 」とするメーカーの気持ちが込められる。

 大阪市の浪速区・西成区は浅草や神戸と並ぶ靴産業の集積地で、革・副資材など靴づくりに関わる企業や人が集まる。だが多くは大手企業のOEM生産や問屋を通した商売形態に依存している。COSAEMAプロジェクトは各社が小売店と直接取引して新たなチャネルを開き、新規顧客を開拓して大阪の靴作りを盛り上げるのが目的だ。またメーカーが「プロモーションのありかた」も考え、良い靴とは何かを多くの人に伝えるプロジェクトでもある。

機能性だけではない靴作りへ

 靴メーカーはこれまで「足入れ」や「履きやすさ」といった、ものづくりの視点で商品をとらえる事が多かった。しかし靴は機能性だけでなくファッション性も望まれる。そこで、国内外の有名企業でバイヤーを歴任し、ブランディングコンサルタントとしても活躍する飯泉太浩氏をブランディングディレクターに迎え、複数のバイヤーやファッション専門店のオーナーからアドバイスを受ける場も設け、靴づくりにファッションの観点を強めた。

 飯泉氏は素材・色・デザインの提案だけでなく、洋服とのコーディネートや売り方・価格付けまでアドバイスし、これまでの「履きやすさ」に偏った提案方法を改革していった。なかには商品完成後のアプローチで後れを取っていた企業も多く、「どのように商品をバイヤーに届けるか」という視点でも改善を進め、靴の見せ方など情報発信の点でも各メーカーに大きな成長が見られた。

バイヤーの声をデザインに反映

 その後、複数のバイヤー・オーナーから直接、意見やアドバイスを受ける場を設けた。バイヤーからは「実年齢よりも若く見られたい顧客が多く、とくに60代以降は10歳以上若く見られたがる」「アパレルのセレクトショップでは服飾雑貨のコーディネートは大きなポイント」「典型的なコンフォートより、ファッション性があり履きやすい靴」などの声が出された。こうした声をもとに各社は既存の木型でどこ までデザインの差別化を図れるかを試みた。

BEFORE/AFTER

 「ターゲット年齢を10歳若返らせる」に取り組んだサロンドグレーの事例を紹介する。

 サロンドグレーは60 歳以上のシニア層ターゲットのシューズ「サロンドグレー」をホテルショップや百貨店、ECで販売している。エレガントなデザインが得意だが、シニア層にも市場が望むカジュアルやリラックス感のあるデザインに適応する必要がある。写真※1は木型を変えずデザイン変更した「花柄アイレットバレエシューズ」。素材をコットンアイレットレースに載せ替え、ライニングをベージュに変更。足入れ口をグログランテープのトリミングとして、フロント部分にスワロフスキーを配置することもできるようにした。

写真※1「ターゲット年齢を 10 歳若返らせる」に取り組んだサロンドグレーの事例

 今回、プロジェクトトーキョーではバイヤーアドバイス後に生まれ変わった全12社の商品を展示。それぞれの特長を生かしつつ、市場ニーズに適応して改善を重ねた商品を一挙ご紹介する。

ブランディングディレクター飯泉太浩氏
国内有力セレクトショップのバイヤーを経て、中国、英国、米国でファッションブランドのチーフバイヤーを歴任。現在も海外店の現役バイヤーであり、複数のブランド・店舗のブランディングコンサルタントとしても活躍している。

≪PROJECT TOKYO 2021 渋谷ヒカリエ 9F HIKARIE HALL 3月10日(水)~11日(木)開催≫

バイヤーアドバイス後のプロジェクトトーキョー出展12社の商品はこちら

モンドール伊藤

手染め等の1足1足対応するような加工が得意。ブーツであればカーブの部分をクリッピングという綺麗にしわが無く革を伸ばす技術に長けている。

伊藤製靴

綺麗目のヒールが得意で、アドバン加工という複数の革の層を削る事で色の異なる下地を見せ、マーブル色の濃淡をつける技術を持っている。レディスシューズでは珍しい技術。

ニューバンタン

「どこにも無い1足」がコンセプトの parrish というブランドを持ち、カラフルな色や大胆な柄の組合せが印象的。

インターナショナルシューズ

ローファーやサンダル等、シンプルでクラシックなデザインが得意の企業。今回作ったキルティングサンダルのアイスブルーも甘すぎないがコーディネートしやすいカラー。

関西製靴

モカシンのボロネーゼ製法というつま先部分を袋状に縫い合わせた製法が得意でヒールも低くてマニッシュなデザインが特徴。

モデナ

エアーが入ったソール等、カジュアルにもON スタイルにも合うスニーカーを得意とする。履きやすさにこだわり、インソールは履いたらその違いが一目瞭然。

MBM 杉本製靴

ヒールが 3.5㎝程度のウォーキングシューズ等のミセス向けのスニーカーを得意としている。レディスだけでなくメンズサボも作っている。

フェイス

ユニークなサンダルとスニーカーを得意としている。スニーカーはカラーバリエーションだけではなく、スタッズ付き等、程良く他人と差別化を図れるデザイン。

カムサ

大阪なんばに「足に悩みを持つ方向け」の店を持ち、これまで 4000人の足のデータを元に「履きやすさ」にとことんこだわった靴を作る。希望があれば、セミオーダーも受ける。

矢口製靴

ウォーキングシューズからフラットソール、ヒールまで、幅広い靴を作り、1点から注目を受けられる点が特徴。中目黒にもお店を持つ。

押海製靴

日本人の足を研究し、少し幅広めでゆったりした足入れが特徴。ミセスだけではなくシニア層にも受け入れられる、とにかく履きやすいシューズ。

サロンドグレー

ホテルニューオータニや京王プラザホテル等、百貨店やホテル内にも店舗を構える履きやすくエレガントなシューズ。メンズ向けのかかとをつぶして履けるスリッパシューズも。

大阪靴メーカー協同組合

https://www.instagram.com/cosaema/?hl=ja

企画・制作/繊研新聞社 業務局



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