2月に破産申請したリサイクル素材ベンチャー、リニューセル(スウェーデン・ストックホルム)を、同じスウェーデンの投資会社アルターが買収することを決めた。古着などを原料とするリニューセルのリサイクルパルプ「サーキュロース」の事業化資金を確保、グローバル販売を強化する。
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リニューセルは12年にスウェーデン王立工科大学のイノベーターによって設立され、20年に同国ナスダック市場にも上場した注目の繊維スタートアップ。綿の古着や端材を溶解パルプに再生する特許技術を持ち、同国の工場でサーキュロースを製造していた。レーヨンをはじめとする再生セルロース繊維やアセテート繊維の原料として使用でき、レンチング、米イーストマン、日本の大和紡績などと原料供給契約を締結。ザラ、H&M、リーバイスなどとも協業していた。
2月27日にストックホルム地裁に破産申請し、スポンサーを探していたところ、アルターが引き受けることになった。アルターはリニューセルの残余資産を買収し、新会社のサーキュロースを設立した。
アルターのクララ・ズヴェリーナ最高経営責任者は「私たちは挑戦をためらわない。バージンコットンや化学繊維に代わる循環型素材の拡大に向け、この挑戦は価値がある。主要なステークホルダーと連携し、サーキュロースの可能性を追求する」とコメントした。