蝶理は、25年秋冬向けOEM・ODM(相手先ブランドによる設計・生産)で、「近年の気候変動に対応するための調温機能を発揮する製品を拡充」し販路拡大を狙う。環境配慮型素材シリーズ「ブルーチェーン」を中心に機能性、快適性を重視したスポーツとタウンユースウェアは、特にミドラーアイテムを拡充しながら提案する。
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北陸産地が持つピン仮撚り加工技術を生かした高捲縮(けんしゅく)ポリエステルストレッチ糸「SPX」でカットソートップを打ち出す。独自の膨らみ感や軽量感、ストレッチ性が特徴で「販売期間が長い晩夏・初秋商材向けの提案を強化」する。
台湾ヤーンメーカーの素材「ヘイクスマートテンプ」を使用したスポーティーなカットソートップは、繊維を包む特殊ポリマーが温度に応じて水分への親和性を変え、湿度の保持・蒸散をコントロールする。「着用者の皮膚からの自然な蒸散機能を40%程度向上できる」として、快適性を訴求する。
ゴルフとスポーツカジュアル向けでは、形状回復に優れ耐久性の高い高伸縮機能糸「テックスブリッド」で、ミドラーやパンツを充実。スエード調段ボールやシャドーストライプなどの多様な生地を揃える。
ナイロン素材をリサイクする「ブルーニー」シリーズでは、製造背景が異なる3素材を紹介する。生産工程で生じた繊維くずを再資源化した「ブルーニーループ」、回収漁網由来の「ブルーニーオーシャン」、植物由来の「ブルーニーセーブ」使用の製品を揃えた。
アウターウェアでは、PCM(相変化物質)を活用した調温中わた「シンクロサーモ」の製品を提案した。同素材は木材パルプを主原料としたセルロース繊維だ。28~32度の範囲で温度を調整する能力に優れ、高温時には成分が液化して熱を吸収し、低温時には固体化して熱を放出する特性を持つ。