「シャネル」は、フランスのパリ・マレ地区に、2軒の期間限定ブティックをオープンした。
期間限定ブティックに選ばれた建物は、かつてフランスの実業家ボーマルシェが暮らした邸宅。当時は華やかなパーティーが開かれ、名声を築いた人々が滞在した。マレ地区の中心地にありながら半世紀以上も手つかずのまま残され、フランスの国家遺産施設に認定されている。
入り口の背の高い扉には、魔よけとなる2匹の怪物の頭と、17世紀に邸宅を所有していた一族の紋章が刻まれており、建物が得ていた名声の高さがうかがえる。扉の中の中庭を挟んで二つの建物がブティックになった。
左手にある一つ目のブティックは、売り場面積130平方㍍。ワンフロアの店内に、プレタポルテとアクセサリーが並ぶ。右手にある二つ目のブティックは36平方㍍。芸術家のアトリエのような空間にシューズが揃う。
内装はいずれも、シャネルのこれまでの伝統的なコードとは異なり、あえて手を加えずに、邸宅の歴史を生かしている。むき出しの石壁は透明のガラスのファサードでシンプルに囲い、床はレジンで覆って飾り気のない古びた金属の表情を出した。什器は黒いミニマルなハンガーラックと、ガラスと木で作られたコンソールテーブル。ミニマルな空間に仕上がった。
住所は47 rue Vieille du Temple 75004 Paris.17年5月31日まで営業する。