日本中央競馬会所属のクリストフ・ルメール騎手のアパレルブランド「CL by C.ルメール」は、奈良県広陵町の「広陵くつした」と協業した靴下の開発を進めている。このほど同騎手、松山弘平騎手が、産地の有力メーカーの一つ、昌和莫大小の本社工場を訪問し、意見交換や初期サンプルの確認などを行った。商品は11月ごろに発売、騎乗用靴下のほか、乗馬や各種スポーツシーンに対応した靴下となる予定。
CL by C.ルメールは22年にスタート。レース以外の競馬場の雰囲気や、カラフルなジョッキー服をはじめとする色彩の豊かさ、「競馬の持つ多彩な魅力を幅広く知ってほしい」とのルメール氏の思いから始まった。「お世話になった日本への恩返し」の意味も込めて、日本製にこだわった物作りを行っている。競馬をモチーフにした商品だけでなく、アーティストや伝統工芸企業とも協業しながら、カラフルなウェアや服飾雑貨などを展開する。
靴下は、ブーツ着用時のムレや冬の寒さ、足へのアタリなど、騎乗時のパフォーマンスに直結するという。両騎手のほか、岩田望来騎手の計3人が靴下開発に関心を持ち、一大産地である広陵町との取り組みが決まった。騎手3人と、昌和莫大小が8カ月にわたり、試作と意見交換を行ってきた。工場訪問後は、吉村裕之広陵町長を訪問し、産地の歴史なども聞いた。

ブランドはECのほか、百貨店での期間限定販売などを重ね、年商約5000万円規模になっている。今秋には、ブランド展開のために設立した企業(社名はブランド名と同じ、平岡千菜美代表取締役CEO=最高経営責任者)が本拠を置く京都で店舗も開設する。三条周辺で1階がカフェ、2階が店舗の予定だ。