ブルックスCIO テクノロジー語る

2015/04/08 11:12 更新


 【ニューヨーク=杉本佳子通信員】ニューヨークに拠点を置くファッション関連の非営利団体ファッショングループが1日、パネルディスカッション「テクノロジー&ファッション、アートとサイエンスの交差点」を開いた。

 この中でブルックスブラザーズのサハル・ラハー執行副社長兼CIO(最高情報責任者)は、「15年後の実店舗はどう変わっているか」と聞かれ、「店の規模は縮小するだろう」と語った。ラハー氏はその理由について、「みんな全ての客にリーチしたがっているが、そのためにすべての商品を店に置くのは経費がかかりすぎる。サプライチェーンによって店に商品がなくても次の日に届くようになり、店にすべての商品を置く必要はなくなる」と説明した。

 「これから重要になるテクノロジー」について、ラハー氏は「アイビーコン、トラッキング(追跡)、電子タグ」を挙げた。ただ、ブルックスブラザーズでは、アイビーコンはまだテスト中だ。電子タグは、工場の中で商品がどこにあるかを知るためだけにアイテムレベルで使われているという。ラハー氏は、次に力を入れる分野は「パーソナルなサービスや商品」と指摘。オーダーメードはここ2年間伸びているそうだ。

 ビッグデータソリューションを提供するリテイルネクストのジョージ・シャウR&D部門責任者は、店全体をカバーするだけのセンサーを置いてデータを分析している小売業は、2年前は10店だったが、今は世界中で100店あると話した。

 大方は100店以上を展開する小売業だが、「レント・ザ・ランウェー」など少ない店舗数でも実施している会社もあるという。例えば、店の奥ではあまり売れ行きがよくないとなれば、どこで客が時間を費やしているかを調べ、客の流れが止まる什器があれば什器を変えるなどというように、データを活用している。



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事