ジーンズカジュアルのブリッツワークス CF販路に直販事業を本格化

2020/08/19 06:27 更新


 ジーンズメーカーのブリッツワークス(東京)が直販事業を本格化している。バイク衣料や雑貨などを矢継ぎ早に企画しており、クラウドファンディング(CF)を販路に消費者の手に直接渡るようにする。青野睦社長は、「卸より高価格で売れるし、(卸とも)すみ分けられる」と話し、今後も高い頻度でプロジェクトを公開する。

(永松浩介)

 18年春にCF「マクアケ」で初めてプロジェクトを実施し、現在公開しているのが八つ目(2回目からは「キャンプファイヤー」)。「空冷式スーツ」や「撥水(はっすい)ジーンズ」「3Dボディバッグ」など、機能を打ち出したものが多く、これまで全て調達目標額を超過してきた。「これから毎月できれば」という。

 ここ数回企画しているのがバイカー向け。手掛けることになったのは、ひょんなきっかけだ。バイク好きの俳優・つるの剛士さんのユーチューブの番組企画でユニフォームを作製することになり、広告代理店を通じて同社に声がかかった。その後、青野社長自身もつるのさんの番組に出演。自ら縁のなかったバイクも購入、中型免許も取得することになった。つるのさんとはツイッターでも交流が始まり、知名度向上につながっている。

 7月の「ギョウザ型45リットルバッグ」(税込み2万1780円)、現在公開している「折り畳みキャップ」(6028円)、9月に公開する「自立する靴下」、10月のセットアップなど全てバイク関連だ。ヘルメットが入るバッグだったり、ヘルメットを脱いだ時にかぶるキャップだったり、疲労軽減に役立つ靴下だったりと、バイカーの課題解決を狙いにしている。

 セットアップは「本気のバイカー服」で、これまでホームセンターなどで販売してきたものをグレードアップした。CFを経たのち、一般でも流通させる。今後はベルトや財布などにも取り組む考えもある。もっとも、バイク衣料の専門メーカーと競う気はない。「あくまでファッション軸で、しかもライバルのいないCFでやる」

 普段でも使えるものを意識しているから、客の間口が広いCFという販路はうってつけ。「(CFの)支援者は累計1000人を超えており、15%がリピーター。世の中にないものを面白がってくれる裕福な人が多い」と分析している。一定固定ファンがつけば、今後のプロジェクトも楽になる。

 コロナ問題以前から未引き取りやキャンセルというリスクがあり、消費者への直販を志向していた。自社ECもあるが、当面はCFを通じて知名度を上げる。各種SNSに加え、ユーチューブやティックトックなどの動画まで、ファン化を進めるための施策を総動員する。

 「卸も継続するが、直売も事業として確立させたい」と話している。

職人向けに作った意匠登録済みのライダー服。動きやすい立体構造は両者に共通するニーズだ


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