ベイクルーズグループは10日、初の野外イベント「ベイクルーズ・フェスティバル」を名古屋城・二之丸広場で開いた。同社のブランドが物販やワークショップを行うブースを出したほか、音楽ライブやストレッチのアクティビティー、ファッションショーなど様々なコンテンツを用意し、1万人超の来場者を楽しませた。
〝衣食住美〟に関する多様な事業を改めて訴求し、ファンを増やすとともに、所属するカンパニーや働く地域の枠を越えた従業員同士の交流、首都圏以外の従業員の知恵やスキルを活用する狙いもあった。
(友森克樹)
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未出店ブランドも
衣料品や服飾雑貨を中心とした物販とワークショップ、飲食で約30のブースが出店した。イベントのために特別に用意した限定商品や既に店舗で完売した商品などを販売した。名古屋に常設店がないブランドも出店し、人気を集めた。
当日は快晴で、最高気温が37度に達する猛暑日だったが、午後12時の開場前には入り口に入場を待つ人の長い列ができた。来場者の中心は20~40代の男女で、普段名古屋地区の店で買い物をしているという客が多かった。「名古屋城に観光に訪れたら何か楽しそうなイベントをやっていたので」という人たちもいた。集客に向けて、店舗で顧客に伝えたり、チラシを配ったほか、各ブランドのSNSも活用した。
「ジャーナルスタンダード」は、女性シンガーのフォトTシャツ(6000円)など店舗で即完売したTシャツを販売し、会場でも売れていた。イベント用に商品を残しておいたという。
「ジャーナルスタンダード・レリューム」は、名古屋を中心に活動するブランド「クラブ・サケノミタイ」と協業した特別プリントのTシャツ(5000円)を販売した。名古屋地区の店長のアイデアが実現したもので、若年層を中心に好評だった。
名古屋地区に常設店がない店もブースを構えた。「ジョイントワークス」は、新宿店の従業員が柄をデザインしたTシャツ(3000円)をパック入りにして販売した。
「レショップ」は、ファッションブランド「イズネス」と協業したTシャツ(6800円)やキャップ(6500円)を会場で先行販売した。名古屋地区限定色も用意した。レショップを知っている客が多く、5月に名古屋で期間限定店を開いたことも「今回の集客に効果があった」という。
「スローブ・イエナ」は、普段は通販だけで販売しているスマートフォンケースのほか、海外で買い付けたイヤリング(1000~3000円)など手頃な価格のアクセサリーを揃えた。アクセサリーを販売するブースが少なかったこともあり、好評だった。
ワークショップに行列
ワークショップで人気を集めていたのは、「エディフィス」とサンダルブランド「シアーボ」によるビーチサンダル作り(2000円)。メンズ・レディス・キッズの13サイズ、22色から好きなソール・鼻緒を組み合わせるもので、終始行列ができており、子連れが目立っていた。
名古屋を拠点とするセレクトショップやドライフラワーショップ、美容院など他社の店も、地元の店長の推薦によってブースを構えた。名古屋に5店、東京・中目黒に1店を展開する美容院「ヘアー・アイス」は、無料のヘアアレンジ・メイクアドバイスを実施。こちらも常に行列ができていた。
「ヨコのつながり生まれ、刺激を受けた」
「ジャーナルスタンダード」名古屋タカシマヤゲートタワーモール店・前田哲志店長
名古屋の実行委員のリーダーの1人を務めました。開催に向けて、半年以上前から月に1、2回、リーダー会議を行ったほか、月に1度の店長会議でもイベントに向けて話し合ってきました。
目指したのは大きく二つ。顧客にさらにファンになってもらうこと、ベイクルーズグループを知らない人に知ってもらうことです。
名古屋地区にあるベイクルーズグループの店舗数は18で、従業員全員が一度は会場に足を運べるようにシフトを組んでもらいました。顧客と会場で待ち合わせたり、店から一緒に会場に向かったりする従業員もいました。18店はアパレル業態が中心のため、名古屋地区では飲食のイメージが薄いです。「JSバーガーズカフェ」やロブスターロールの「ルークス」などは今回出店が実現し、お客様からも好評だったのでうれしいです。本社の人々が我々の意向を尊重し、支援してくれたことに感謝しています。
今回のイベントを機に、これまで少なかった他のカンパニーの人々と交流が生まれました。仕事に対する考え方など刺激を受けることが多かったです。学んだ良い部分を、これからの仕事で実践してみたいと思っています。
■ベイクルーズ・フェスティバル
18年9月に迎えた創業40周年に関連した取り組みの一環で企画された、同社初の野外イベント。会場では、同社のブランドが中心となって物販・飲食ブースを出店するほか、開催都市の従業員の意見を元に、地域の特性を生かした企画も用意する。今年は全国4都市で開催。来年以降も継続的に開催し、イベントとしての定番化を目指す。
(繊研新聞本紙19年8月23日付)