バレンシアガは、アーティスティックディレクターのデムナによる企画を三つ、発表した。7月9日のオートクチュールコレクションをもってバレンシアガでの任期を終えるデムナ。ラスト1カ月となるなか、最後の仕事が立て続けに披露された。
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6月3日に発表したのは、デムナによる最後のプレタポルテ、26年春夏コレクション。正確さ、厳密さ、きちょうめんさなどを意味するコレクション「EXACTITUDES」が披露された。
これまでに発表したアイテムやデムナのパーソナルなワードローブにあるアイテムを組み合わせ、独自のシルエットやスタイルを表現した。デムナは、「バレンシアガでの10年間、私のクリエイティブビジョンとファッションにおける研究の一部となってきた多様なデザインコードを体現している」という。
ウィンドブレーカーやマウンテンパーカ、ダウンジャケットを何枚もレイヤードしたボリュームスタイル、アクセントとなる鮮やかなブルーやイエロー、体のラインにぴったりと沿ったチェックのコートドレスなど、デムナを象徴するアイテムが揃った。「現代のワードローブとは」「ラグジュアリーとファッションの微妙な境界線はどこにあるのだろうか」といった疑問を示しているという。

同時に、ブリトニー・スピアーズとの協業による「バレンシアガ・ミュージック/ブリトニー・スピアーズ」シリーズも発売した。Tシャツやジップアップアウターのほか、ビジューやスタッズで装飾したキャップも揃う。ビンテージのようにエイジング加工し、手描き風のアートワークを施している。このシリーズに合わせて、スピアーズがキュレーションした限定プレーリストも発表。アップルミュージックなどを通じてアクセスできる。
パリでは、デムナの10年間を総括したレジュメ・エキシビションを、6月26日~7月9日にケリング本社で開催する。