ヨーガンレールは暮らしの豊かさを提案する「ババグーリ」の秋物で、インドの伝統技法を生かして緻密(ちみつ)な刺繍をしたジャケットとバッグ、雑貨を企画した。
シンディー刺繍と呼ばれ、デリー東部に在住するイスラム教徒が培ってきた技術という。装飾のベースとなる細かなドット柄をエンブロイダリーマシンで入れる以外は、全て手作業。木枠に貼った生地の一つひとつにはんだごてで穴を開けた後、極細のかぎ針を使うアリワークという技法で、きめ細かく立体的に仕上げる。小さな街の専門職人の分業で成り立っている。
14年に亡くなったテキスタイルデザイナー、ヨーガンレールが生前、インドの仕事仲間から「面白いものがある」と紹介を受けた縁で、今回の協業に至った。通常はイスラム教徒がかぶる帽子などに使われるが、ノーカラージャケットやショルダーバッグなど、製品のパターンに応じて刺繍生地を作ってもらった。
7月から販売する。ジャケット(12万円)は白、ネイビーの2色。清涼感と彫刻のような美しい組織とモダンなシルエット。雑貨はショルダーバッグ(小2万6000円、大5万6000円)、丸型トート(2万8000円)、ポーチ(1万5000円)があり、複数色を使ったタイプなど8色が揃う。
きめ細かな手仕事が品の良さを印象付ける